増えてきているEV車種
最近、日本国内でも電気自動車(EV)の車種が増えてきています。
先日はDS Automobiles からDS3 CROSSBACK E-TENSEが発表されましたね。
少し前だと日産リーフぐらいしか選択肢がなかったEVですが、このように最近では欧州メーカー中心に様々なEVが出てきており、日本においてもEV車種の選択肢が増えてきました。
EVはどれくらい売れている?
徐々に車種が増えてきているEVですが、実際の売れ行きはどうなのか気になるところ。
ここ数年の販売台数推移を調べてみると、2017年頃からEV乗用車の台数が伸びていることがわかります。リーフのモデルチェンジが背景にあるのでしょうか。

参考URL:http://www.cev-pc.or.jp/tokei/hanbai3.html
ちなみに、今年7月時点でのEV販売台数累計は約7500台で、乗用車全体からすると1%程度の割合です。
なので、まだ少数派だけど最近売れてきているって感じですね。
いまEVに乗るのはアリなのか?
EVっていうと、車体費用が高いとか、航続距離が短いとか、何かとネガティブな要素を耳にすることが多いように思います。
ただ、近年ではバッテリーの性能も向上していますし、静粛性や加速の良さなどガソリン車にはない部分もあります。
その辺の事情を踏まえて考えると、いまEVを買うというのはいい選択肢なんだろうか?やっぱり割高なんだろうか?というのが個人的に気になったので、ちょっと考えてみました。
- コスト
- 使い勝手
- 運動性能
の3つの観点で考えてみようと思います。
EVを所有するのににかかるコスト
クルマを所有するのにかかるコストとしては、主に下記のようなものがあります。
車体価格
日本で買えるEVの中で最も安いのは日産 リーフだと思われますが、それでも本体価格が332万〜であることを考えると、価格相場としてはガソリン車よりも高額になることがわかります。
ただし、PHEVやEVなどの新車購入に際してはCEV補助金という制度があり、国や自治体から補助金が出るため、ガソリン車との価格差をある程度軽減できます。
リーフの場合だと国から42万円、自治体によってはさらに補助金が出る(私の住んでいる自治体だと県+市で合計45万円くらい) なので、87万円くらいは補助金出してもらえるみたいですね。
ただし補助金を受ける場合は3〜4年の保有義務が生じることに注意が必要です。
保険費用
電気自動車の場合、任意保険が割引になるところもあるようです。
例えば損保ジャパンでは、ハイブリッド車や電気自動車に対し、3%の割引制度があります。

保険料が年間6万円だとすると1800円安くなるイメージですかね。
正直、これだけだとあまりお得感はなさそうですが…。笑
整備費用
電気自動車はモータで駆動するため、エンジンオイル交換などの整備は必要ないため、その分の維持費がかかりません。
なので、ガソリン車で5000kmに1回の頻度でオイル交換をしながら10万km走行したとし、1回の交換にかかる費用が5000円程度だったとすると
$$\frac{100000\mathrm{[km]}}{5000\mathrm{[回/km]}}\times 5000\mathrm{[円/回]}=100000\mathrm{[円]}$$
ということで10万円ほど安く済むことになります。
代わりに、電気自動車ではバッテリーが劣化して容量が低下した場合に交換が必要となり、その際の費用がリーフの場合で65万円〜(リサイクル品だと30万円〜)とのこと。
ただ、基本的にはどこのメーカーでも保証制度がついており、リーフの場合は新車登録から5年 or 10万km以内にバッテリー容量が2/3以下(9セグメント以下)になった場合、無償で交換してくれます。
したがって、新車購入から5年で乗り換えるのであればバッテリー交換の費用は心配なさそうです。
ちなみに、欧州レクサスで年内発売される予定のUX300eでは、なんと5年 or 100万kmの保証が付くとか…。

税金
エコカー減税という言葉は誰しも一度は聞いたことがあると思います。
電気自動車の場合はこの制度により、
- 新車登録時と最初の車検時の重量税が免除
- 新車登録時の翌年の自動車税が75%減
という恩恵を受けることができます。
リーフなど車重が2t未満のクラスの場合、2回分の重量税に換算すると3万円程度になります。
また、そもそも電気自動車は排気量0なので、自動車税も1番下のクラス(乗用車で25000円)となり、多くのガソリン車よりも安く済ませることができます。
燃料費
例えばリーフの場合、一充電での航続距離が400kmになります(40kWhの場合)。
普通充電の場合、完了まで8時間かかるので、この時の電気料金を概算すると
$$6\mathrm{[kW]}\times 8\mathrm{[h ]}\times 25 \mathrm{[円/kWh]} = 1200[円]$$
となります。(電気料金の単価に関してはうちの料金を参考に設定しました)
ここで1kmあたり何円消費しているかという考え方をすると、
$$\frac{1200\mathrm{[円]}}{400\mathrm{[km]}}=3\mathrm{[円/km]}$$
となります。結局、これはガソリン車でいうと40km/Lぐらいの燃費に相当します。(ガソリン単価を120円/Lとした場合)
EVの使い勝手について考えてみる
どういう使い方を想定しているかによりますが、例えば私のケースだと
- 片道15km程度を毎日通勤で使う
- 週末の走行距離は土日合わせて60kmくらい
- たまに片道200km程度の遠出
- 年2回、実家への帰省は片道620km
という感じの使い方をします(最近はコロナの影響で多少変わりつつありますが)。
給電の頻度
この場合、航続距離が400kmだとすると給電はおよそ10日に1回くらい、遠出の場合は片道ごとに給電という感じでしょうか。まぁ頻度としてはガソリン車とそう変わらない感じですね。
ただ、充電の場合は給油と比べて所要時間が長い(急速充電しても40分くらいはかかる)ため、遠出の際はこまめにSAで休憩しながら充電するとか、そういった対応が必要になりそうです。
マンション住みだとつらいところ
あと、個人的にもう一つネックなのが、マンション住みなので家で充電できないこと。(マンションによっては充電器ついてるのかもしれませんが)
通常の充電をしたくても家の外に8時間放置はちょっと…って感じですよね。。
そうするとやはりこまめに出先で充電するしかなさそうで、充電できる施設を選んで出かける必要が出てきます。そう考えるとちょっと面倒。。
逆に家で充電できちゃう人は、わざわざ外部の施設に行かなくても充電できるので、そのぶんの時間を節約できるというメリットがあると思います。
コンパクトな車種が多い
今のところ、EVの車種としては比較的コンパクトなものが多いです。
なので、少人数での移動がメインだったり、うちのように駐車場サイズに制約があったりする場合には選択肢になりうると思います。コンパクトなので取り回しやすさもありますし。
静粛性に優れている
車種によって程度はあるかもしれませんが、モータで駆動するためガソリン車よりも静かに走ることができます。
なので、車内での会話がしやすかったり、深夜の住宅地などで騒音を気にしなくてももいいというメリットがあります。地味に嬉しいポイントですね。
EVの運動性能
モータの特性として、
- エンジンに比べてレスポンスが早い
- 低回転から高いトルクが出せる
というのがあるので発進もスピーディにできますし、回生ブレーキをで大きな減速力を得ることもできるため、ガソリン車よりもキビキビ走れるポテンシャルは十分あると思ってます。
数年前にBMW i3に乗ったことがあるんですが、アクセルペダルから足を離すとしっかり回生ブレーキがかかり、ワンペダルでも操作できそうな感覚というのはなかなか新鮮でした。こういったことが出来るのもEVならではかと思います。
結局、いまEVを買うのはアリなのかどうか
色々書きましたが、結論から言うと、いまEVを買うというのは、下記の条件に当てはまる人にとってはアリなんじゃないかと思いました。
- 5年程度で乗り換える予定である
- 家で充電できる
- 長距離を頻繁に走らない
- キビキビ走りたい
単純にコストだけを考えて買うなら、小排気量のガソリン車を買うのが1番いいと思います。
おそらく、今EVを選ぶメリットは、ガソリン車を超える加速性・減速力、充電できる場所の選択肢が広い(家でも充電できる)点にあると思います。
今後、家庭での発電設備含め充電のインフラが拡充してくれば、よりEVの利便性が増してくるので、それを個人的には期待しています。
おまけ: 個人的に気になるEV車種
最後に、個人的に最近気になっている車種を紹介しておきます。
DS3 CROSSBACK E-TENSE
最近、EVのグレードとしてE-TENSEが発表されました。
航続距離は398km、充電時間は9時間ということでこの面ではリーフには一歩及ばないものの、最大トルク260Nmとパワフルなモータを搭載していたり、「小さな高級車」と呼ばれるにふさわしい豪華な装備やデザインは個人的にすごく気になっています。
サイズ的にコンパクトでうちの機械式駐車場に入るというのもありますが。笑
BMW i3
電気自動車としては先駆け的な感じのモデルかなと思うのですが、上でも書いた通りワンペダルアクションが可能なほどの操作性が新鮮で面白いと思いました。
航続距離はレンジエクステンダーをつければ466kmまで伸ばせますし、トルクも最大250Nmとサイズの割に大きいので、パワフルにキビキビとした走りを楽しめるというのも魅力かなと思います。
Honda e
可愛らしい見た目とは裏腹に、かなり機能盛りだくさんなモデルです。
RRの電動パワートレーンというだけでも特徴的ですが、減速度が調整可能だったり、最大トルク315Nmというパワフルなモータを搭載していたり、かなり豪華な仕様になっています。
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