ドラビリとは?
突然ですが、”ドラビリ” って単語聞いたことありますか?
“ドライバビリティ” の略で、ざっくりいうと”乗り心地“の意で使われます。
「ドラビリ」で調べてみた結果↓
車両の開発においても、ドラビリの向上だとか、ドラビリと〇〇の両立だとか、まぁそんな感じの使い方をされる用語です。
ドラビリについて最近思うこと
ドラビリに優れている、とは
最近よく考えているのが、ドラビリに優れたクルマってどんなものだろう?ということ。
ドラビリの善し悪しって難しくて、ドライバーの好みによって基準が変わります。
極端な話、ある人が「このクルマは素晴らしい」と思っていても、別の人からしたら「つまらんクルマだ」ということもあるかもしれません。
大事なのはドライバーがクルマに対して求めているものを提供できることだと思います。
静かに走りたい、という人にゴリゴリのスポーツカーみたいなクルマを提供しても「うるさいクルマだなあ」となるだけでしょう。
ドラビリの数値化
さて、そんなドラビリですが、数値で定量的に表すことってできないんでしょうか?
例えば走行中の加速度変化とか、回転数の変化とか、その辺の何かしらを指標としてドラビリを表せれば、開発も評価もしやすいのにな〜と思ったりします。
ネットで公開されている技術情報を何件か見た感じだと、ドラビリを確保するためにトルクの変動を抑制するだとか、回転変化をコントロールするとか、手段については書いてあるものの、ドラビリを明確に数値化するような方法について記したものは見受けられませんでした。なのでちょっとここで考えてみようかと。
個人的には、ドラビリに影響する要素として
- 音 (エンジン回転の変化)
- 駆動力変化
- 操作から反応までの時間
が大きくあるんじゃないかな、と思ってます。
スポーツカーを例に考えてみると、やっぱりエンジン音は雰囲気の演出としても寄与度は大きいでしょうし、加速時や減速時、変速時の駆動力変化は乗り心地というかフィーリングに直結すると思います。また、操作してから車両が反応するまでの時間が短い方が、よりダイレクト感というかスポーティな感じになると思います。
逆にコンフォート路線で考えると、静かに走るために回転や駆動力の変化はなるべく緩やかにすべきでしょうし、あまりダイレクト感を出しすぎると緩やかに走行するのが難しくなってしまうと思います。
また、駆動力変化を挙げた根拠として躍度という概念があります。
参考: ジャーク(加加速度,躍度)の測定法
上記文献によれば、人間が運動の変化を感じ取る感覚は,加速度よりもジャークに対する感度の方が高い、とのことなので、ドラビリに繋がる概念であることは間違いないと思います。
あとはどうやって指標という形にするか…考えどころですね。
今のところかなりざっくりした案しかないので、もうちょい纏まったら備忘録がてら書いてみようかと思います。
2020.1.18追記
改めてドラビリの定量化に関連しそうな論文を調べてみたところ、加速度や躍度以外のアプローチを試みているものがありました。
こちらの記事で紹介しています。