エコカーのこれからについて考えてみる

クルマ
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アメリカの大統領選挙は接戦の末、バイデン氏の勝利となりましたね。

まぁ、まだ暫く揉めそうですが…

さて、仮にバイデン政権が発足するとなると、環境政策として温室効果ガスの排出ゼロに向けた取り組みやパリ協定への復帰が行われるといわれています。

自動車と温室効果ガス

温室効果ガス、特にCO2の排出量を無くすとなると、当然ですが自動車業界への影響もかなり大きいものがあります。

実際、日本のCO2排出量の約15%くらいが自動車によるものだそうで、他の輸送手段と比べてもとりわけ大量に排出していることになります。

環境:運輸部門における二酸化炭素排出量 - 国土交通省
国土交通省のウェブサイトです。政策、報道発表資料、統計情報、各種申請手続きに関する情報などを掲載しています。

なので、自動車によるCO2排出量を削減するため、みんなにエコカーを買ってもらおう!ということでエコカー減税みたいな政策がとられているわけですね。

最近ではゼロエミッション車、というワードもちらほら聞くようになりましたが、これからの自動車はそういった方向にどんどんシフトしていく必要があるのでしょう。

ところで、EVって本当にエコなのか?

さて、最近流行りのEV(電気自動車)はゼロエミッション車の代表格だと思いますが、実際どうなんでしょうか。

極端な話、日本人がみんなEVに乗るようになったらCO2排出量って減るんでしょうか?

答えはNO だと思ってます。

よく言われるのは、EVを走らせるために使う電気はどうやって発電しているのか?という点。我が国の発電方法は圧倒的に火力が主流です。

【エネルギー】日本の発電力の供給量割合[2021年版](火力・水力・原子力・風力・地熱・太陽光等) | Sustainable Japan | 世界のサステナビリティ・ESG投資・SDGs
近年、地球温暖化対策への関心が世界的に高まっており、カーボンニュートラルやESG投資に関する取り組みが世界各地で行われています。2020年10月、日本は2050年までにカーボンニュートラルになることを

なので、EVだけが普及したところで、結局、消費電力が増える→火力発電によるCO2排出量が増えるというだけで、あまり効果としては期待できないのではないかと思います。

とはいえ、現在の火力発電の主流はLNGによるもので、石油燃料よりCO2排出量が少ないといわれているため、車でガソリンを燃やしていた分がLNGに置き換わると考えれば多少は削減できるのかもしれません。

 

だったらいっそ、車の燃料を全部LNGにしたほうがエコなのでは…とも思っちゃいますが。

もちろん、火力以外の発電方法でEVの走行分を賄うことができれば、CO2排出量は劇的に削減できると思いますその一環としての位置づけであればEV普及は意義のあるものだと思いますが、現段階では発電方法の改善が急務なのでは?という感じがしています。

EVが普及しにくい理由

欧州の自動車メーカーやテスラなど、海外ではEV車種が続々と登場してきていますが、いまのところ国産車ではあまりEVは作られていません。(最近、日産やホンダが出してきていますが、それぐらい)国内ではEVよりもPHEVなどハイブリッド車のほうが主流です

航続距離の短さと充電時間の長さ

国内でEVが普及しにくい主な原因として、航続距離の短さと充電時間の長さがあると思います。

街乗りが主流かつこまめに充電できるなど、一定の環境下であればEVは便利かもしれませんが、例えばガソリン車と同じだけの航続距離だったとしても、EVの場合はフル充電までに数時間を要します。

クルマで遠出したい場合にこれは致命的で、航続距離ぎりぎりのところまで移動してしまったら充電完了までの数時間は待たないと帰ってこれないことになってしまいます。一方で、ガソリン車は満タン給油するのにものの数分程度しかかりません。

また、充電に時間がかかるというのは、充電ステーションが普及しづらい理由にもなっていると思います。

商業施設など、長時間とどまってほしい場所に併設するのであれば、充電施設を作る側としてメリットがあるかもしれませんが、充電自体を目的とした施設では利益を上げにくいため、ガソリンスタンドのようなノリで作るのはあまり合理的ではありません。

そうすると、街中で充電できる場所は限られてきてしまい、しかも長時間そこにとどまらないといけなくなるのであちこち移動がしづらくなってしまいます。

駐車場に止めただけで勝手に充電できるような仕組みを開発して町中に配備してもらえれば、この点は解決できるのかもしれませんが。。

いずれにせよ、従来の給油とは違う考え方で充電する仕組みを整えておかないと、EVの普及は難しそうです。

EV以外のエコカー

EVとかハイブリッド車ばかりが取り上げられがちですが、エコカーの枠組みにあるのはそれだけではありません。

天然ガス自動車

火力発電のところでも触れた、LNG(液化天然ガス)を燃料とする自動車。

トラックやバンなど商用車に採用されています。

【エネルギー】日本の発電力の供給量割合[2021年版](火力・水力・原子力・風力・地熱・太陽光等) | Sustainable Japan | 世界のサステナビリティ・ESG投資・SDGs
近年、地球温暖化対策への関心が世界的に高まっており、カーボンニュートラルやESG投資に関する取り組みが世界各地で行われています。2020年10月、日本は2050年までにカーボンニュートラルになることを

LNGはガソリンよりもCO2排出量が少ないのに加えコストも安いので、商用車向きな燃料といえそうです。

燃料電池車(FCV)

水素と酸素の化学反応で発電してモータを駆動させ走る自動車。

トヨタ MIRAI や ホンダ クラリティ がこのタイプになります。

水素を燃料としているため、発生するのは水だけ。つまりゼロエミッション車です。

ただし水素ステーションの普及が課題となっています。(2020年7月現在で全国に131箇所)

自治体にもよりますが、ほかのエコカーに比べて比較的補助金が多く出たと思います。

まとめ

エコカーについて、つらつらと思ったことを書きました。

自動車業界にいる者として、今後どういう方向にシフトしていくのかは気になるところです。

まあ、当面はガソリン車に乗り続けるとは思いますが、HEVやEVで面白そうな車がでたら検討してみようかな。

 

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