前回のエンジンに関する記事を書いていてふと思いました。

ディーゼル車とガソリン車って結局どっちが得なんだろう?
コストだけでなく性能面も考えると一長一短なのはわかるのですが、やっぱり自動車を買うにあたってコストを気にする方は多いと思うので、ちょっと気になりました。
そして、似たような問題としてよく話題になるのが、

ハイブリッド車とガソリン車って結局どっちが得なの?
という話。だったらいっそ全部比べてみようということで、それぞれの車種にかかるコストを事例を挙げて比較してみます。
どんなコストがあるか
今回、コストの比較をするために考慮するのは下記の費用とします。
- 車体価格(新車)
- 燃料費
- メンテナンス費(エンジンオイルや部品など)
- 税金
単にパワートレーンの違いによる価格差だけを検討したいので、同じ車種で比較します。
事例を挙げて比較
例として、BMWの 218i アクティブ ツアラー Luxury(ガソリン) 、218d アクティブ ツアラー Luxury(ディーゼル)、225xe iPerformance アクティブ ツアラー Luxury (PHEV) を比較してみましょう。
車両価格
プライスリストより、それぞれの車体価格は下記の通り。
価格 | |
218i アクティブ ツアラー Luxury | ¥4,440,000 |
218d アクティブ ツアラー Luxury | ¥4,700,000 |
225xe iPerformance アクティブ ツアラー Luxury | ¥5,480,000 |
ハイブリッドだけ突出して高く見えますが、他のメーカーの車種などをみても、ガソリンのエントリーモデルと比較するとハイブリッドのグレードはおおよそ30万~70万くらい高くなるようです。
燃料費
それぞれのカタログ燃費は下記のようになっています。
燃費 [km/L] | |
218i アクティブ ツアラー Luxury | 16 |
218d アクティブ ツアラー Luxury | 20 |
225xe iPerformance アクティブ ツアラー Luxury | 17.6 |
ガソリン140円、軽油100円として、仮に10万キロ走行したとすると、それぞれの燃料費合計は以下の通り。
10万キロ当たり燃料費 | |
218i アクティブ ツアラー Luxury | ¥875,000 |
218d アクティブ ツアラー Luxury | ¥500,000 |
225xe iPerformance アクティブ ツアラー Luxury | ¥795,455 |
自動車税
排気量によって決まるので、それぞれのグレードで1年あたり下記のようになります。
自動車税 | |
218i アクティブ ツアラー Luxury | ¥30,500 |
218d アクティブ ツアラー Luxury | ¥36,000 |
225xe iPerformance アクティブ ツアラー Luxury | ¥30,500 |
重量税
新車登録時、および車検のたびに課税されます。初回は3年分、2回目以降は2年分になります。
重量税(初回) | 重量税(2回目以降) | |
218i アクティブ ツアラー Luxury | ¥22,500 | ¥20,000 |
218d アクティブ ツアラー Luxury | ¥0 | ¥15,000 |
225xe iPerformance アクティブ ツアラー Luxury | ¥0 | ¥20,000 |
メンテナンス費用
エンジンのメンテナンスにかかる費用として
- エンジンオイル
- 尿素水(ディーゼルのみ)
を考慮します。オイルのおおよその単価と交換量、周期は下記のようになります。(シビアコンディションとして考えています)
オイル単価 | 交換量 | 交換周期 | |
ガソリンエンジン | 1250円/L | 4.3L | 7500km毎 |
ディーゼルエンジン | 5.0L | 6000km毎 |
尿素水は800kmごとに1L消費され、価格はおよそ10Lで2,000円程度です。
従って、10万キロ走行したときのメンテナンス費用を比較すると
10万キロ当たり費用 | |
ガソリンエンジン | ¥71,667 |
ディーゼルエンジン | ¥135,417 |
となります。
年数とコストの関係
以上を踏まえて、コストと所有年数の関係をグラフにしてみました。燃料費に関しては、年間2万キロづつ走行したとして計算しています。(すなわち5年で10万キロのペース)
ディーゼルは乗り出し時点ではコストは他と比較して安く済むものの、維持費がかかるので長期間乗り続けるほどコストの累計はガソリン車と変わりなくなってきます。
また、一般にはPHEVのほうが燃費がいいので長く乗るほどハイブリッドのほうがお得になるのでは?と思いましたが、予想に反して車両価格の差分が埋まらずそのまま残ってしまいました。
これは、今回の車種ではPHEVとガソリン車で燃費や排気量がほぼ同じだった(その分、PHEVではモータを使用することで得られる力強い加速感などの運動性能を売りにしている)のも一因だと思われます。
ちなみに、トヨタ カローラスポーツのようにガソリンとハイブリッドで燃費差が大きい車種であれば、長く乗るほど燃費の分だけハイブリッドのほうが維持費を安く抑えられるので、3~5年程度で車両価格の差分は元が取れそうです。ただ、ハイブリッドは4~5年単位でバッテリー交換があるため、長期間乗ったとしてガソリン車より必ずお得とは言い難いかもしれません。。
まとめ
ガソリン車、ディーゼル車、ハイブリッド車に対する費用を比較してみました。
車種にもよりますが、ディーゼル車はメンテナンスに費用がかかるため、長期間乗り続けるとあまりガソリン車と変わらない費用がかかりそうです。
別記事でも書きましたが、コストだけでなく動力性能も踏まえて考えるとそれぞれ一長一短だったり、車種によってはパワトレ別にコンセプトを変えていたりするので、それも踏まえると一概にどれが1番とはいえないのですが、乗り味よりもコスト重視でクルマを決めたい、という場合には参考になるかと思います。
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