昨年1番売れたビジネス書という、前田裕二さんの著書「メモの魔力」。
気になって12月頭くらいに買ってから、中途半端に読み進めていてなかなか最後まで読めていなかったのですが、漸く読み切れました。
ということで、内容の整理とアウトプットを兼ねて、読んでみた感想とか学んだこととかレビューしてみます。
本の概要
メモの書き方を説いた本ではない
タイトルだけ見ると「メモの取り方のノウハウ本かな?」という印象を受けるかもしれませんが、読んでみると全然そんなことはありませんでした。
メモ(というよりノート)の使い方に関するテンプレートはあるのですが、本題はそこではなく、
具体的な事柄(事実)を抽象化し、他の事柄に転用するという思考プロセス
についての重要性を説いた本になっています。メモはあくまで上記プロセスを取るためのツールという位置づけ。
なので、どストレートに本の内容を一言で表すと
「抽象化」する考え方について
みたいな感じになると思います。が、これだとインパクトに欠けるし、「メモ」というワードを使った方が、この本を読んですべき行動が具体的にイメージでき、かつハードルが低い印象を与えられるので「メモの魔力」というタイトルになったんだと思います。
確かに、書店でタイトルをぱっと見たとき「ん?」ってなりましたからね。
大切なのは抽象化というプロセス
上でも述べたとおり、この本の最重要キーワードは抽象化です。
抽象化という単語だけ聞くと文字通り抽象的すぎてよくわからないかもしれませんが、要するに、事実から何かしらの気づきを得ること、というと近いかもしれません。
例えば
「○○という映画は爆発的にヒットした」
という事実からスタートして、
- なぜヒットしたのか?
- その映画の特徴は何か?
という観点で考えたときに
- 低予算なのに面白いから
- 豪華キャストを無駄遣いしている
という気づきが得られたとすると、これが抽象化になります。
こういう気づきを得ると、例えば、
○○なのに△△というギャップを狙った製品を作れば売れそうだとか、大衆車に豪華装備を搭載しまくってみようとか、他の事柄に転用するアイデアが生まれてきます。
要は、事実から何が言えるか?というのを深掘りして考える習慣をつけることで、いろんなアイデアか沸くよってことですね。
個人的に印象に残ったポイント
言語化することの大切さを改めて感じた
抽象化をしていく中で必要なことの1つとして、自分の考えを正確に言語化するというものがありました。
私はどちらかというと直感的、感覚的に物事を考え進めていく傾向がありますが、考えを人に伝えるときに「なんとなく」と伝えて納得してもらえるのは稀だと思います。
そこで必要になってくるのが「なぜそう感じたのか」を深掘りして正確に言語化することなんですが、そういえば今までこの部分をめんどくさがって蔑ろにしてしまってたなぁと思ったり。。
なので今後は、感じたことを色々と深掘りしで言語化するという習慣をつけられるように意識したいと思ってます。
我見だけでなく離見の見をもつこと
「我見」とか「離見」というのは能を大成したことで知られる世阿弥の書いた本にある言葉で、要は自分に対して客観的な視点を持とう、外側から自分を見つめられるようになろう、ということです。
この手の話はよく聞くとは思うんですが、実際、自分を客観的に評価できる、完璧に自己分析できているという人は少ないのかもしれません。
私は割と自己分析はできているほうかなと思っていたのですが、巻末付録にある自己分析のための質問1000問を見てみるとまだまだ分析できていない点が多いなと感じました。
自己分析はけっこうしっかり時間をとって考えないとなかなかできませんが、幸い暫く時間はあるので、じっくりやってみるのもいいかなと思ってます。
おわりに
前田裕二さんの著書「メモの魔力」について、簡単に読んだ感想を書いてみました。
メモをとるという習慣を通して、抽象化するという思考プロセスを使いこなせるようになれば、色んな気づきやアイデアを得られるようになってまた一歩成長できるのかなと思うとワクワクします。
メモの取り方や抽象化以外のことでも、考え方や伝え方について参考になる点も多いので、興味のある方はぜひ読んでみることをお勧めします。
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