まえがき
このブログでは、これまでに何度か制御工学に関する記事を書いていますが、内容としては概論的なところに留めていました。
↓これまでの記事まとめ

とはいえ、実践的に学ぼうと思うと専門学校ないし大学にいかなければいけないので、例えば、社会人になってからちょっと勉強したいな〜と思ってもなかなかハードルが高い学問ではあります。
なんとかこういうハードルを下げれないかな、というところで思いついたのが、私が院生時代に専門学校の講師をしていた時の講義資料を一部公開すること。
ただ、改めて見返してみたんですが…本筋に対してけっこう蛇足が多くて逆にわかりにくくなってしまった感がありました(苦笑)

生徒に興味を持ってもらいたくて、話が脱線しまくったんだと思われます…。
ということで、昔の講義内容をもっとスリムに要約してこのブログに書いていこうと思います。
最終目標は、制御理論をツールとして使えるようになること。
背景となる理論とかの詳しいところは一旦置いといて、とりあえず制御系設計の手順だけでも覚えといてもらえると、より詳しく理解するための足掛かりになったり、それなりに役には立つかなと思います。
まず今回は第1回ということで、これからの下準備として、制御系設計に用いるツールについて書きます。
無料で使える設計ツール
実際に制御系設計を行うには、ある程度の難しい手計算が必要だったり、シミュレーションのためにMATLABのようなソフトが必要だったりします。
ここではなるべくそこのハードルを下げるため、下記のフリーソフトを使うことにします。
Maxima
手計算のハードルを下げるために使います。
微分・積分などを含む演算、さらには微分方程式を代数的に解くことができるので、難しい式変形などがサクッとできて便利です。
ちなみに有償のソフトだとMathematica やMaple が有名ですが、どちらも数十万円単位でお金がかかるので、個人で所有するにはかなりハードルが高いです。。
Scilab

MATLABと似たような機能をもつフリーソフト。ただし互換性はありません。
数値的に方程式を解くことで制御器の設計を行ったり、その結果をシミュレーションしたりすることができます。
Scilabに内蔵されている Xcosという simulink もどきの機能を使えば、視覚的にもわかりやすくシミュレーション環境を構成できます。なので、非常に手軽に制御系設計を学ぶことができます。
本日のまとめ
ツールとして制御理論を使えるようになることを目標とし、過去の講義内容をこのブログに書いていきます。
今回は下準備として、無料で使える設計ツールについて書きました。
次回は制御対象の記述の仕方と、安定性という概念について書いていきます。
参考図書
過去の講義では教科書として下記の書籍を使っていました。(演習問題を出したりするのに使っていました)
自分でやってやるぜ、という方は一読いただければ勉強になるかと思います。
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