今更ながら、モーターについてお勉強

クルマ
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最近、市場にはハイブリッド車(HV)だけでなく電気自動車(EV)や電動バイクのラインナップが増えてきました。

従来のガソリン車(自動車業界ではコンベ車と呼ばれることが多いです)とHV、EVの大きな違いは

駆動源としてモーターを使用していること

だと思います。(ハイブリッドはシステムの構造によりますが…)

しかしながら、正直、あまりモーターについて理解してないので、いろんな用語を聞いてもイメージが沸かない。。

PWMとか三相交流とか、仕事でも単語は耳にするけど

なんのこっちゃというレベルで。。

ということで、

  • そもそもモーターはどういう造りなのか?
  • どういう特性があるのか?
  • どういう制御をしているのか?

というところだけでも理解しようと、勉強してみました。

モータの仕組みと種類

モーターの原理

ミニ四駆に使われているモーターを分解してみるとわかりますが、モーターは基本的に磁石やコイルからできています。正確には、

  • ステーター(外側の固定された部分)
  • ローター(真ん中の回る部分)

という部品からなっていて、電流によってステーターとローターの間にはたらく磁力を操作することで回転させています

上の図は2極のブラシ・整流器付きのDCモータの例ですが、基本的な考え方はどんなモータもだいたい同じで、ステータとロータの間に発生する磁力を回転力(トルク)に変換しています。

モーターの種類

モータは、まず電源が直流か交流かによってDCモーターACモーターに大別され、さらに構造によって下記のように分かれます。

DCモータ整流子・ブラシあり電磁石界磁型直巻きモータ
複巻きモータ
分巻きモータ
永久磁石界磁型コアレスモータ
永久磁石界磁型ブラシ付きモータ
整流子・ブラシなしブラシレスモータ
リニアモータ
ステッピングモータ
ACモータ インダクションモータ
シンクロナスモータ

個々の種類についての詳細な言及は割愛しますが、それぞれコストが低く抑えられるだとか、小型で高出力を得られるとかいった特徴があり、用途によって使い分けられています。

モーターの特性

正直、私が一番知っておきたいのはこの辺からでした。笑

制御屋として、制御対象がどういう特性を持っているか把握することは最も重要ですからね。

トルク特性

まず、モーターを駆動源として考える場合は特に、トルク特性がどうなっているのか気になるところ。特性はモータの構造によって変わってくるので、代表的なものをいくつか見ていこうと思います。

DCモータ

ステータを電磁石にしてロータと並列につないだ分巻きモータ、直列につないだ直巻きモータに流れる電流とトルク、回転数とトルクの関係は下記のようになります。

(ミニ四駆のようなステータが永久磁石のモータは分巻きと同じ特性)

どちらにも共通することとして、ある程度の電流を流さないとトルクが出ません。

ばねでいう作動荷重みたいなもんですかね。

分巻きモータ

分巻きモータに対する電流-トルク、回転数-トルクはリニアな関係にあります。つまり、発生するトルクは電流に比例して大きくなり、回転数が高いほどトルクは小さくなります。

また、掛かる電圧が高いほど高回転×高トルクに、低いほど低回転×低トルクの特性になります

直巻きモータ

直巻きモータの場合は、トルクは電流の2乗に比例し、回転数に反比例します

これはステータとロータが直列であるのが効いていて、例えば電流が2倍になるとそれぞれに流れる電流が2倍になり、磁束密度もそれぞれ2倍になるため、働く力は4倍になります。

高校物理で自己誘導とかやったなぁ…

このような特性なので、かなり大きなトルクを出せる一方、無負荷時の回転数が非常に高くなるという特徴があるといえます。

ACモータ

インダクションモータのトルク特性は下記のようになります。

…なにやら複雑な形状ですが、どうやらモータにかかる負荷を考えてやれば理解できそうです。無負荷~ある程度の負荷までは、上図でいう安定領域に入っており、モータは回転しながらトルクを発生させることができます。しかし負荷が高くなりトルクが限界点以上に達すると(不安定領域に達すると)、出力できるトルクが下がり回転が停止してしまうという特性のようです。

なんだかタイヤの摩擦力を彷彿とさせる性質ですね

応答性

上記で述べたのは定常状態での特性ですが、モータを制御するためには過渡状態での特性(応答性)についても知っておく必要があります。

コイルのリアクタンス、インダクタンス

高校のときに習ったな…というくらいであんまり正確に覚えていませんでしたが、コイル流れる電流が変化すると、それを妨げるような起電力が発生する性質のことをリアクタンス、その大きさ(比例係数)をインダクタンスといいます。

この起電力は電流の変化量(時間微分)に比例してかかるので、力学でいうとダンパなどの速度抵抗みたいな性質といえそうです。

したがって、モータが停止した状態から電流を流すと、実際にモータに流れる電流は下記のように変化します。

電流の指令値に対して、

いわゆる1次遅れの応答性になっています。

DCモータの場合、電流とトルクの関係性は線形なので、スケールは違えど過渡状態の応答性は電流と同様の形になると思われます。つまり、電流を変化させるとちょっと遅れて変化するということですね。

インダクタンスの注意点

インダクタンスの影響により、コイルを流れる電流の変化に応じて起電力が発生するわけですが、スイッチを切ったときなど電流が0になる瞬間は当然ながら変化量が大きくなります。そうすると、下記のように電源からの電圧は0になってもインダクタンスによる起電力だけが残り、スパイク状の電圧(逆起電力)を発生させてしまうことになります。

この現象はスイッチを切ったときに限らず、例えばブラシ・整流子付きのDCモータなら電流の向きが切り替わるときにも発生します。

逆起電力は電気的ノイズの要因になったり制御回路の誤作動を引き起こすだけでなく、大きな起電力により半導体部品を破損させてしまう恐れもあるので注意が必要です。

モーターの回転数制御

モータの回転数を変化させるには、

  • 電圧を変える
  • 負荷(抵抗)を変える

のどちらかを行う必要がありますが、抵抗を変えて回転数を制御するという方法は近年ではあまり用いられないようです。

制御中に抵抗が発熱するので、エネルギー効率が悪いとのこと。

したがって電圧を変化させることで回転数制御するのが主流のようですが、電圧の制御方法には下記のようなものがあります。

PWM制御・PAM制御

どちらも電圧のスイッチON/OFF切り替え頻度によって、電圧の実効値を制御するという考え方です。ざっくり図示すると下記のような感じ。

ベクトル制御

ACモータの1つであるインダクションモータに用いられるのがベクトル制御

インダクションモータは、電流によってステータで回転磁界を発生させるとともに、ロータに誘導電流を発生させて回転トルクを生み出す構造になっています(インダクションモータの詳細はこちらのサイトが参考になりました)。

インダクションモータの回転数は、電源の周波数以外に上記のトルクを生み出す電流にも影響されるため、回転数制御のためには、回転磁界の電流とトルクを生み出す電流の2つの成分を独立して制御する必要があり、それを実現したのがベクトル制御です。詳細は割愛しますが、ロータの位置角度と、回転磁界の位置角度から電流成分を分離しているようです。

まとめ

モーターの仕組みから特性、制御方法について (おそらく初歩的なレベルでしょうが) 、勉強会の資料作ってる気分で書きました。笑

けっこう忘れっぽいので、ちょこちょこ残しておかないと。

なんか変なところや疑問点あればコメントください。

参考文献

今回の参考図書はこれ。数式は載っていませんが、概念や特徴的な理解には役立ちます。

あと、下記ホームページも少し参考にしました。

ブラシモーターの構造、回転原理、発電原理、ショートブレーキ、特性 | ブラシ付きDCモーターについて | TechWeb
このページでは、ブラシモーター(ブラシ付きモーター)の構造、その回転原理、発電原理、そして特性に至るまで、ブラシモーターに関する特徴について広く深く説明していま

 

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